翻訳ウラ話
この作品前後、私は集中的に翻訳に取り組んでいたせいか、字幕なしのビデオを初めて見たときに、日本語の吹き替えが聞こえてくるような感覚をもつようになっていました。講演者が、声や口調、タイミングはそのままに、日本語を話してくれるので、それをただ書き取るだけで翻訳ができあがるというわけです。おかげで1本の翻訳がわずか1-2日程度で完成していました。
全体としては大変わかりやすく話してくれているのですが、10:05あたりからの表現が一部わかりにくかったので、友人の生物学者に助けを求め、噛み砕いて解説してもらいました。マニアックな話を、そうとは気づかず織り込んでしまうのは、いかにも研究者です。
英語学習のヒント
講演者はイスラエルの科学者です。アクセントはありますが、ほとんど気にならないでしょう。役者の経験を持つだけあって、表情や表現が豊かで、説明が上手です。英語をひたすら勉強して、言語以外に頼らず伝えきるというのも立派ですが、彼のように科学・演劇・音楽など多彩なチャンネルを使って聴衆の心を掴み、メッセージを伝えるというのも、学習目標としてアリですよね。
この講演には気持ちを表す形容詞がたくさん使われています。英語字幕やトランスクリプトから拾ってみてください。辞書で意味を確認するだけでなく、講演の中での使われ方や描写を踏まえて具体的にイメージしたり、自分はどんなときにその感情を抱いたか思い出したりしてみましょう。そうやってイメージや気持ち、過去の体験と結びつけることで、新しい知識は脳にしっかりと記憶されるようになります。
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ウーリ・アロン: 真の革新的科学のために、未知の領域へ飛び込むことが不可欠な理由
物理学を専攻し博士課程で研究していた頃、ウーリ・アロンは自分のことを失格者だと思っていました。どの研究も行き詰まっていたからです。しかし、即興劇に救われ、彼は迷いの中にも喜びがあるのだということに気づきました。研究を、疑問と答えをつなぐ直線と見るのを止め、もっとクリエイティブなものと考えるよう科学者たちに求めます。専門分野を越えて共感できるメッセージです。
(2014/7/7 字幕公開)
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