2016/09/19

#26. ジェニファー・シニア: 幸福は親には高すぎるハードル



翻訳ウラ話


話題に馴染みがあったせいか、短時間で一気に訳し終えてしまいました。12:53あたりで出てくる"drones"は、翻訳当時(2014年6月)アメリカではすでに一般に通用する表現となっていましたが(参照)、日本ではまだその存在は一般的でなく、「ドローン」も日本語として定着していませんでした。時間・文字数に制約のある字幕の中で「無人機」と化して子どもの動向を追う親の姿をイメージしてもらうのは難しいと判断し、その時点で少なくともネット上では一般的に使われていた「ヘリコプターペアレンツ」の一種として扱うことにしました。現在(2016年9月)は日本でも「ドローン」がよく知られていますが、だからと言って、たとえば「ドローンペアレンツ」のような訳にしていたら、ドローンを操作して子どもに何か届ける親のことかと誤解されてしまうかもしれませんね。



英語学習のヒント


台本を用意してみっちり練習してきた様子が感じられ、TEDの講演にしてはやや作り込んだ感じが気になりますが、そのぶん英語学習には使いやすいでしょう。よく練られた文章の構成はライティングやパブリック・スピーキングのお手本として参考になります。インタラクティブ・トランスクリプトを開いて、左上の小さな画面で映像を流し、音声を聞きながら文字を目でたどってみてください。トランスクリプト上で気になる部分をクリックすると映像がその部分に飛びますから、発音を確認したり、一時停止してリピートする練習に便利です。


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ジェニフェアー・シニア: 幸福は親には高すぎるハードル

Japanese translation by Emi Kamiya, reviewed by Shoko Takaki

書店の育児コーナーには圧倒されます。作家のジェニファー・シニアが言うとおり、それは「巨大でカラフルな、皆のパニックの象徴」です。親であることは何故こんなにも不安だらけなのでしょうか?その理由は、現代の中流家庭の親たちが目指す、「幸せな子どもを育てる」という目標があまりに捉えどころがないからです。この歯に衣着せぬトークでは、より私たちに寄り添った達成しやすい目標が示されます。

(2014/7/1 字幕公開)

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