2016/08/05

#85. ブライアン・リトル: 自分はいったい何者なのか―性格の謎を解き明かす & #86. ある情熱的な内向型人間の告白




翻訳ウラ話


2014年TEDxと2016年TEDでの講演。よく似た内容だったので、同じペアで2本を行き来して翻訳しました。訳として統一すべきところはしながら、それぞれに翻訳者の個性を残してもいるので、2つの翻訳を見比べるとおもしろい発見があるかもしれません。


英語学習のヒント


英語学習の教材には向かないTalkです。字幕なしで聞き取れる上級者でも、内容をすべて理解するのは厳しいでしょう。英語字幕を見てもあまり助けになりません。誰にでもわかる話し方を選んでいないのには理由があり、それ自体が講演内容の伏線になっていると考えられます。もちろん、講演者本人の立場や聴衆への敬意の表れでもあります。

この講演を知ったのは、あるオンライン教育の研究者との議論がきっかけでした。オンライン教育を含む昨今の”ソーシャル”な教育が前提としているかもしれない、extrovertな学習者・教育者像に対する懸念を共有しました。これは日本の英語教育において時々気になる点でもあります。特に英語の会話指導では、まるで上達のためにはextrovertになるのが必須のような雰囲気があり、一部には「英語を話す際には”演じる”のが当然」と思われている節もあります。ブライアン・リトルの言う「コア・プロジェクト」の考えに賛同しつつ、KECでは学習者が自分らしさを失うことなく言語を使い、本来の自分をよりよく表現するという方向で言語学習を進めていってもらいたいと考えています。

”ソーシャル”な教育と外向性・内向性について興味のある方はこちらの記事もどうぞ。


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ブライアン・リトル: 自分はいったい何者なのか―性格の謎を解き明かす (2016)

Japanese translation by Riaki Poništ, reviewed by Emi Kamiya

自分を自分たらしめるものとは何か。心理学者はなにかと、人の特性や、その人を特徴づける性質を定義したものを持ち出します。しかしブライアン・リトルが注目するのは、文化として求められる場合や、自らそうせざるを得ない場合も含め、人がこういった特性を超えて振る舞うケースです。このトークでは、リトル博士が内向型人間と外向型人間の違いに切り込み、人の性格は自分で思っているよりも変幻自在なものであると言えるのはなぜかを解説します。
(2016/8/5 字幕公開)


ある情熱的な内向型人間の告白 | ブライアン・リトル | TEDxOxbridge (2014)

Japanese translation by Emi Kamiya, reviewed by Riaki Poništ

ブライアン・リトルが面白おかしく語る、この楽しいトークでは、私たちの日常に登場する内向型人間と外向型人間に目を向けます。なぜ人は柄にもないキャラを演じることがあるのか、それに対して何ができるのか、考えさせられるでしょう。
(2016/8/5 字幕公開)

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