2016/09/19

#25. アン・カーザン: 言葉が「本物」になる条件



翻訳ウラ話


私は英語や日本語について、調べたり考えたり教えたりするのが日常ですが、私の興味は一貫して「何が正しいか」より「いま、何が使われているか」にあります。というわけでこの講演は個人的に身近に感じられ、あっという間に楽しく訳し終えました。「最近の言葉の乱れは目に余る」というのは、いつの時代にも、おそらくどの言語でも言われていることなんでしょうね。



英語学習のヒント


聞き取りやすさは標準的で文も複雑ではありませんから、いろんな学習に使えそうな講演ですが、せっかく「word」がテーマなので、単語に焦点を当ててみてはどうでしょう。実際、キーワードがわからないと話についていけず、会場の笑いにも乗り遅れてしまうので、内容理解のためにも意味を確認しておくといいですよ。普通に辞書を引いてもいいのですが、この講演で紹介されている単語をもとに自分で英英辞典を手作りすると、意味を見て暗記するのと違い、語義の英語からさらに語彙や表現が学べます。やり方は学習者のレベルに応じていろいろ考えられますが、たとえば以下のような方法があります。

①ノートを用意し、英語字幕やトランスクリプトから、「defriend」「hangry」「adorkable」のように、見出し語だけを拾って記入する。 ②講演者の説明を頭の片隅に起きながら、自分なりに考えて、意味・定義を書き入れる。 ③辞書やインターネットを使って確認し、実際の意味・定義を書き入れる。 ④見出し語を使って例文を作る。

講演の中の単語が終わったら、次にAmerican Dialect Societyのページへ行って、最近の「今年の単語」についても同じように見出し語と語義を書き出し、例文を作ってみましょう。語義の中にわからない単語があったらそれを見出し語に立てて、辞書を引いて語義を記入していきます。ポイントは見出し語よりも語義です。簡潔に説明する感覚を養いましょう。

ちなみに、2015年の「今年の単語」はこちらのTalkと関連がありますよ。


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アン・カーザン: 言葉が「本物」になる条件

Japanese translation by Emi Kamiya, reviewed by Ricky Park

「hangry」「defriend」「adorkable」 などの俗語は、たとえ辞書に載っていなくても、英語という言語の意味における重大な不足を補っていると言えます。結局のところ、どの語を辞書に収録するか決めているのは誰なのでしょう?歴史言語学者のアン・カーザンは、辞書作りの舞台裏にいる人たちに目を向け、彼らが絶えず行っている選択を魅力的に紹介してくれます。

(2014/6/29 字幕公開)

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