2016/06/29

#84. アダム・グラント: 独創的な人の驚くべき習慣



翻訳ウラ話


日本国内で教わる英語が得意な人ほど、内容理解にてこずったり誤解してしまったりするタイプの作品かもしれません。訳す過程で、自分がアメリカでいろいろな年齢層、異なる分野の人たちの英語を聞いてきた経験が生かされているなと感じました。


英語学習のヒント


この講演者が話す英語は、日本の教室で使う音声教材や日本にいる“ネイティブ”の先生が話す英語とは異質のものでしょう。英語圏でも、いわゆる語学留学や短期ホームステイでは出会わずに済んでしまうかもしれません。しかし、たとえば日本の高校を卒業後すぐにアメリカの大学に進学する学習者なら、入学直後から教授、クラスメート、ルームメイトたちに浴びせられる種類の英語です。語彙やイディオム、発音などの特徴が、今まで聞いてきた英語と違うために慣れるまで戸惑うわけですが、それに気づくまでは"My English is crap." とばかりに落ち込んでしまうのではないでしょうか。そんな時はぜひ"I'm just not there yet."と切り替えてほしいと思います。その経験は将来、きっと英語という言語を超え、大きな価値につながります。


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アダム・グラント: 独創的な人の驚くべき習慣

Japanese translation by Rikuto Koyanagi, reviewed by Emi Kamiya

創造的な人々はどのようにして素晴らしいアイデアを思いつくのでしょうか? 組織心理学者のアダム・グラントは「オリジナルな人」の研究をしています。新たなアイデアを空想し、行動によってそれらを現実に落とし込む人々のことです。この講演から、オリジナルな人が持つ3つの意外な習慣を学びましょう。そこには失敗を受け止めることも含まれます。グラントは言います。「オリジナルな人の中で最も偉大なのは、最も多くの失敗をした人です。なぜならそれは最も挑戦した証だから。多数のまずいアイデアがあるからこそ、少数の良いアイデアを生むことができるのです。」

(2016/6/29 字幕公開)

2016/06/27

#83. 2言語を同時に操る通訳者のテクニック ― エワンドロ・マガリャンエス



翻訳ウラ話


TED-Edのビデオは5分程度と短く、内容もわかりやすいので速く訳せます。特にこのビデオについては身近な話題だったので、1時間足らずで一気に訳してしまいました。一般的なTalk(主に講演)の訳ではあり得ない速さです。


英語学習のヒント


このように「翻訳」と言っても、そもそも視聴者向けに解説する目的で編集済みの台本をナレーターが読んでいるものを訳すのと、生身の人間が自然に話すものを書き起こし、文脈や口調を考慮して訳すのとでは、難易度や手間、求められるスキルに大きな違いがあります。「通訳」についても同じで、逐次通訳と同時通訳の間にも、気軽な通訳と重大な事柄に関わる通訳の間にも違いがあることはビデオの中で説明されているとおりです。

ひとくちに「英語ができるようになりたい」と言っても、その内容は実にさまざまです。「何をしたらいいかわからない」という学習者は、自分が何をどこまでできるようになりたいか、具体的に掘り下げていくことから始めましょう。そして、自分の現在の力や使えるリソースをきちんと把握して、現実的で実行可能な目標を立て、1つずつ確実に達成していくことが大切です。


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2言語を同時に操る通訳者のテクニック ― エワンドロ・マガリャンエス

Japanese translation by Emi Kamiya, reviewed by Riaki Poništ

言語は複雑なものなので、抽象的な概念やニュアンスが翻訳によって失われてしまうと、悲惨な結果をもたらす可能性があります。言語のもつ複雑性や異文化の交錯という要素を踏まえると、甚大な意思疎通の問題が常に起きていてもおかしくありませんが、そうなっていないのはなぜでしょうか。答えの一部は、言葉の壁を乗り越えるために通訳者が身につける技能と彼らの受ける訓練にあると、エワンドロ・マガリャンエスが解説します。

(2016/6/27 字幕公開)