2016/08/17

#3. ジョルジェット・ムルヘア 「孤児院の悲劇」



翻訳ウラ話


私が翻訳に取り組むかどうかを決めるポイントは、「この講演・ビデオの内容を、日本語にして伝えたいと思うかどうか」です。はじめてこの講演を見たとき、日本で保育や幼児教育に携わる友人たちから聞いていた内容と重なる部分が多かったため、「ぜひ日本の視聴者に届けたい」と強く思いました。戦争や政治不安などと無縁でも、生みの親のもとで育てられていても、子どもたちの暮らしが「憂鬱になるほどよく似ている」ということがあり得ると知るのは、とても恐ろしいことですが、目を背けるべきではない現実です。



英語学習のヒント


聞き取りやすい発音、速度、アクセントのイギリス英語なので、リスニングや後について言う練習に使えそうです。アドリブではなく、原稿を用意してきちんと話しているので、かなり書き言葉に近い文や構成になっています。Transcript(参照)を使って、読みこんだり、訳したり、文法的に分解してみたりするのも良いでしょう。また、段落ごとに要約をしたり、段落同士のつながりに着目したりすると、ライティング(文章を書くこと)やディスコース(かたまりごとに文章の展開などを考えること)の面でも役に立ちそうです。

明るく楽しく、夢や希望にあふれ、カラフルでユーモアたっぷり…というのとは違い、テーマが重く、画に変化がないので、大人気になるタイプのTalkではありません。しかし、静かな雰囲気の中に力強さがあり、深刻な問題をわかりやすく伝え、大切なことを鋭く指摘する素晴らしい講演だと思います。KECでは真面目な内容をきちんとした英語で話し、自分の言葉に責任を持ち、自分の考えをより豊かに表現できるようになりたいと望む、成熟した学習者を特に応援しています。


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ジョルジェット・ムルヘア 「孤児院の悲劇」

Japanese translation by Kazunori Akashi, reviewed by Emi Kamiya

孤児院は多大な費用がかかる上、子どもの心と体に取り返しのつかないダメージを与える可能性があります。にもかかわらず、なぜこれほど多く存在するのでしょうか?ジョルジェット・ムルヘアは孤児院での悲劇を語ることを通して、支援が必要な子どもたちを別の方法で救い、孤児院に頼ることをやめるよう強く訴えます。

(2013/2/5 字幕公開)

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