2016/11/03

#35. 代名詞の秘密 | ジェームズ・ペネベイカー | TEDxAustin



翻訳ウラ話


英語学習者に関わる研究や仕事をしている私にとって、英語の文法、言葉づかい、やりとりの様子などはどれも非常に身近な話題ですが、代名詞の使用頻度から心理や人間関係を解くという視点はとても新鮮で、翻訳を通じて理解を深めたいと思いました。英→日の翻訳では、通常、代名詞は訳出しない方が文として自然になりますし、字幕では文字数に制限があるので省くことが多いのですが、代名詞が主役のこの作品ではそうはいきません。あえて代名詞を逐一訳出しながらも、日本語として意味が通り、かつ読みやすく収まるように工夫しました。



英語学習のヒント


少し早口で聞き取りにくいと感じるかもしれませんが、英語そのものは決して難解ではありません。英語字幕をオンにして、必要なら速度を落とすなどして確認してみてください。日常会話で役に立ちそうな、よく使われる語が多いですから、気になった語を拾って自分のものにしていきましょう。特に、感情や様子を表す形容詞は覚えておくと便利ですよ。

講演の中で説明されている代名詞の特徴は、あなたの書いたメールにも当てはまるでしょうか。講演のもとになっている研究は母語話者を調べていますので、学習者の書く英語に同じ現象があらわれるとは限りません。特に日本人学習者の場合、日本語の影響から代名詞を使う頻度が全体的に低い可能性があります。また、代名詞を使っている場合でも1人称(I, my, me, mine)に偏っている傾向があるかもしれません。さらに、あなたのところに届いた英語母語話者からのメールはどうでしょう。代名詞に着目して頻度や使い方を調べ、気づいたことを書き出してみてください。それから再度自分の書いた英語に戻り、内容を変えないで別の表現ができそうなものがあれば書き直します。書きっぱなしではなく、自分の書きたいことが表現できているか、英語のわかる人にチェックしてもらうようにしましょう。


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代名詞の秘密 | ジェームズ・ペネベイカー | TEDxAustin

Japanese translation by Emi Kamiya, reviewed by Shoko Takaki

I, You, Me, We, Us などの簡単な語には私たちの人となりや感情を浮き彫りにできるとてつもない力があります。米国最大規模の大学で心理学科長を務めるジェームズ・ペネベイカーは私たちの言葉遣いを詳しく調べ、それがいかに私たちの自己理解や他者とのやりとり、根底にある強さや活力が湧く気持ちを反映し、それらを作り変えるかについて深く掘り下げます。

(2014/8/11 字幕公開)

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